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自筆証書遺言の書き方をわかりやすく解説

1-3-1 自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言は、紙とペンがあれば費用をかけずに作成できる、もっとも手軽な遺言書です。しかし手軽である一方、書き方に細かなルールがあり、少しの不備で遺言書そのものが無効になってしまうこともあります。

この記事では、自筆証書遺言を作成する際の基本ルールと、実際によくある失敗例、そして安心して活用するための保管制度について解説します。

自筆証書遺言とは(おさらい)

自筆証書遺言とは、遺言者ご本人が全文・日付・氏名を自筆で書き、押印して作成する遺言書です。証人や公証人の立ち会いが不要で、思い立ったときにすぐ作成できる点が最大の魅力です。

その分、書き方の正確さがすべて自己責任になるため、法律で定められたルールを正しく理解しておく必要があります。

自筆証書遺言を書くときの基本ルール

本文はすべて自筆で書く

自筆証書遺言は、後述する財産目録を除き、本文全体をご自身の手で書く必要があります。パソコンでの作成や、代筆・録音での作成は認められていません。

「誰に、どの財産を、どのように引き継いでもらうのか」を、できるだけ具体的に書くことが大切です。

作成した日付を明確に書く

遺言書には、作成した日付を「年月日」まで正確に書く必要があります。「令和8年8月吉日」のような書き方は日付が特定できないため、無効と判断されるので注意が必要です。

氏名を自筆で書き、押印する

遺言者ご本人の氏名を自筆で書き、押印をします。押印は実印である必要はありませんが、実務上はできるだけ実印を使用し、印鑑登録証明書と合わせて保管しておくと、ご本人の意思であることをより明確に示せます。

財産目録はパソコンでの作成も可能

2019年の法改正により、財産の一覧を示す「財産目録」については、パソコンでの作成や通帳のコピー・不動産登記事項証明書の添付が認められるようになりました。ただし、財産目録のすべてのページに、遺言者本人の署名と押印が必要です。

本文は自筆、目録は柔軟に、というルールを正しく理解しておくことで、作成の負担をかなり軽減できます。

加筆・修正の方法にも決まりがある

書き間違えた場合の訂正方法にも、民法で定められたルールがあります。訂正箇所を示し、変更した旨を付記して署名し、変更箇所に押印するという手順を踏まなければ、訂正が無効となる場合があります。書き間違えた場合は、修正するより新しく書き直す方が安全です。

自筆証書遺言でよくある失敗例

実際の相談の中では、次のような失敗例が多く見られます。

  • 日付が「吉日」など特定できない書き方になっている
  • 財産の表記があいまいで、どの不動産・口座を指すのか特定できない
  • 遺言書が発見されず、遺されたご家族が存在に気づかない
  • 亡くなった後に内容を書き換えられたのではと、相続人同士で疑心暗鬼になる
  • 訂正の方法が誤っており、訂正した内容が無効になってしまう

これらの多くは、書き方のルールを正しく理解し、保管方法を工夫することで防ぐことができます。

自筆証書遺言を安心して活用する「法務局保管制度」

自筆証書遺言の弱点である紛失・改ざん・発見されないリスクを補う制度として、2020年から「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。法務局に遺言書を預けることで、次のようなメリットがあります。

  • 法務局が遺言書の原本を保管するため、紛失や改ざんの心配がない
  • 形式面について、保管の申請時に一定のチェックを受けられる
  • 家庭裁判所での検認手続きが不要になる
  • 遺言者が亡くなった際、指定した相続人などに通知される仕組みがある

費用をかけずに作成できる自筆証書遺言のメリットを活かしながら、公正証書遺言に近い安心感を得られる制度として、近年広く利用されるようになっています。

行政書士に相談するメリット

自筆証書遺言は手軽に作成できる分、ルールを正しく理解しないまま書いてしまい、結果として無効になってしまうケースが少なくありません。せっかく残した想いが、形式の不備によって家族に届かないのは非常に残念なことです。

行政書士オフィスMIRAIでは、自筆証書遺言の文案作成のサポートから、法務局保管制度の利用方法のご案内まで、一人ひとりの状況に合わせてお手伝いしています。財産の内容が複雑な場合は、公正証書遺言への切り替えもあわせてご提案します。

まとめ

自筆証書遺言は、日付・氏名・押印などの基本ルールを守れば、費用をかけずに作成できる身近な遺言書です。財産目録はパソコンでの作成も認められており、以前より作成のハードルは下がっています。

一方で、書き方の不備によって無効になってしまうリスクもあるため、不安がある場合は法務局保管制度の活用や、専門家への相談を検討することをおすすめします。

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