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リゾートマンション終活とは2|~「人・建物・管理組合」を次世代へ引き継ぐための総合的な準備~

「終活」と聞くと、多くの方は遺言書や相続手続きを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、リゾートマンションの終活は、それだけでは十分ではありません。

私は現在、熱海の築34年のリゾートマンションに暮らしています。あと20年経てば築54年、30年後には築64年になります。その頃、私の子どもたちは、このマンションを「価値ある資産」と思うでしょうか。それとも「維持費だけがかかる負担」と感じるでしょうか。この問いが、私が「リゾートマンション終活」を考えるようになった原点です。

リゾートマンション終活とは

私は、リゾートマンション終活を次のように定義しています。リゾートマンション終活とは、相続対策ではありません。「人・建物・管理組合」の三つを次世代へ引き継ぐための総合的な準備です。

相続だけを準備しても、建物の価値が失われてしまえば、子どもたちには「負担」しか残りません。逆に、建物が適切に管理され、管理組合が健全に運営されていれば、築年数を重ねても安心して引き継げる資産になります。

現在の視点だけでは不十分

多くの方は、売却するか、相続するか、相続放棄するかという「今」の選択だけを考えます。もちろん、それも大切です。しかし、本当に考えるべきなのは、「20〜30年後、このマンションはどうなっているのか」ということです。

20〜30年後を想像してみる

現在築30〜40年のリゾートマンションは、20年後には築50〜60年になります。その時、建物は健全な状態でしょうか。管理組合は機能しているでしょうか。修繕積立金は十分でしょうか。温泉設備や給排水管は更新されているでしょうか。空室や管理費滞納は増えていないでしょうか。これらによって、資産価値は大きく変わります。

建物は「古い」だけで価値を失うわけではない

「築50年だから価値がない」そう考える方もいます。しかし、それは必ずしも正しくありません。RC(鉄筋コンクリート)造マンションは、税法上の法定耐用年数は事業用で47年、自己居住用で70年とされています。一方で、国土交通省などの資料では、RC造マンションの物理的な寿命は平均約68年、適切な維持管理を行えば100年以上使用できる可能性があるとされています。

つまり、築年数だけで価値が決まるのではなく、どのように維持・管理されてきたかが将来を左右するのです。

建て替えという選択肢

一般的にマンションの建て替えは、築50〜60年前後で検討されるケースがあります。しかし、建て替えは簡単ではありません。区分所有者の合意形成、多額の建設費、仮住まいの確保、高齢化した所有者への対応など、多くの課題があります。特にリゾートマンションでは、所有者が全国各地に分散しているため、合意形成がさらに難しくなることもあります。そのため、「古くなったら建て替える」のではなく、建物を長く健全に維持するための管理がこれまで以上に重要になります。

管理組合にも「終活」が必要

建物が長寿命になっても、それだけでは十分ではありません。管理組合もまた、高齢化という課題を抱えています。全国のマンションでは、理事のなり手不足、将来より現状維持を優先する意思決定、修繕積立金の見直しが進まない、建物の将来像について議論する機会が少ないといった問題が見られます。これは一部のマンションだけではなく、多くのマンションが直面している課題です。建物の終活だけでなく、管理組合の終活も考える時代になっているのです。

子どもに引き継ぎたいのは「部屋」ではなく「価値」

相続で引き継ぐのは、登記上の所有権だけではありません。そのマンションが、安心して住める場所なのか、活用できる資産なのか、管理が行き届いた建物なのかという「価値」そのものを引き継ぐことが重要です。そのためには、家族との話し合い、遺言や家族信託などの相続準備、建物の修繕状況の確認、長期修繕計画への関心、管理組合への参加など、今からできることが数多くあります。

「負動産」を「活動産」へ

私は、リゾートマンションを「売るか、放棄するか」という二者択一で考えるべきではないと思っています。本当に大切なのは、20〜30年後を見据えて、今から価値を守ること。人の終活。建物の終活。そして管理組合の終活。「人をつなぐ。建物をつなぐ。未来をつなぐ。」この三つがそろって初めて、リゾートマンションは次世代へ安心して引き継げる資産になります。

私は、熱海からこの新しい考え方を発信し、全国のリゾートマンションが「負動産」ではなく、「活動産」として未来へつながる社会を目指したいと考えています。

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